ニューバランスの99Xシリーズ3型の履き心地レビュー

ニューバランスの99Xシリーズ3型の履き心地レビュー

以前、ニューバランス関連の記事を書かせていただいた際に99Xシリーズの履き心地について少し触れさせていただきました。

その履き心地への愛情はカナダに来てからも加速しており、日本国内と比べてお得な価格であるMADE IN USAモデルに魅了され、何足か買い足してしまっています。

ということで今回は私が所持するM990V4、同V5、そしてMR993の履き心地について皆様に共有させていただこうと思います。

3年ほど前にオランダのアウトレットで購入した991UK。私が99Xシリーズにハマるきっかけとなった一足です。こちらの履き心地については現在手元にないので割愛させていただきます。
(撮影:筆者)

【MR993】 所持するモデルの中では一番ソフトな履き心地

まずは2008年オリジナルリリースのMR993からご紹介します。おそらく昨年2019年に復刻(日本未展開?)され、トロントでも極一部のショップにのみ並んでいました。
機能面ではヒールにABZORB DTS(アブゾーブDTS)なるクッション素材、シリーズでおなじみの異素材ミッドソールはヒール側のグレーがかった箇所(EN-CAP?)は前足部のそれと比べて硬度が高く、安定感を提供してくれています。

前足部にはジェル状のクッション材(アブゾーブ?)が搭載されているのを確認することができます。後述の2モデルよりもやわらかい履き心地を味わえると思います。

撮影:筆者

撮影:筆者

撮影:筆者

グレーでまとめられたUSAにセンスを感じます。最近の900シリーズでは樹脂製のヒールスタビライザーは標準装備されていますね。
撮影:筆者

汚くて申し訳ありません。つま先外側のブロックがNの文字に見えなくもないです。
撮影:筆者

インソールのプリント。若干剥がれてきました。余談ですが、トロントのニューバランスの直営店に行くと数種類のメーカー純正インソールと出会うことができます。
撮影:筆者

アブゾーブDTS
撮影:筆者

前足部のジェル状のクッション材
撮影:筆者

オリジナルは10年以上も前に発売されたモデルなのですが、その履き心地は未だに最上級だと思います。990に比べると履いてる人が少ないのでその辺も通っぽくて気分が上がります。
ところでMR993のRってどういう意味なのでしょう。


【M990V5】 2019年発売のシリーズ最新作

続いては昨年発売のM990V5のご紹介。昨年はニューバランスと契約しているカワイ・レナード率いるトロントラプターズがNBAプレーオフ、ファイナルと大奮闘。彼の活躍もあり、チーム初のリーグ制覇を達成しました。

ラプターズ、もといカワイの活躍は990V5のリリース時期とも被っていたこともあり、セールスを伸ばしたいブランドにとって追い風だったのではないかと思います。そんな上手なプロモーションにまんまと魅了されたのが私。メーカー直営店に電話して、US9と9.5の在庫を確認。いずれも在庫があるということで即日店舗に行って試着してみました。

M990V5の注意すべきはサイジング

ニューバランスのスニーカーに関してはいつだってDワイズのUS9.5(27.5cm)を履いてきた私。M1500、トレイルバスター、M991なんかも全て同サイズ。

ということでM990V5についてもいつも通りのサイズから試着してみたんです。

なんかでかい。

なぜでしょう、とってもでかい。試しにUS9(27.0cm)も履いてみたんですが、なんだかこっちの方がしっくりくるのではないかと思ったほど。27センチのスニーカーなんて大人になってから履いたことがなかったものですから、そんな小さいはずはない!ということで結局27.5cmを購入し、しばらく履いていました。

ただやっぱりでかい。おそらく縦寸はそこまで長くない。問題は横幅なんですね。今回比較した2モデルに比べると幅が広く作られています。いずれもDワイズなのにも関わらずです。

残念ながらこの足形は私には合いませんでした。先に言ってしまうと私の足に合うという点では今回の3モデルの中ではワーストです。履く頻度がどんどん少なくなっています・・・。
逆に、足幅が比較的広い方にはフィットしやすい形状だと思います。更に、カラーリングによっては横幅の選択肢も~4Eまで用意されているので、ワイドな足の方も是非店頭で試着してベストなものを選んでいただければと思います。

クッショニングは固めのセットアップ。ふわっとしているというよりは、他の品番にはない反発力を感じる履き心地です。

撮影:筆者

撮影:筆者

V4からV5へのアップグレードに際してメーカーホームページやらニュースサイトで語られていたパーツがかかと部から一番上のシューレースホールに伸びた樹脂製のスタビライザーです。メインで語るべきパーツだったのかどうかが疑問なのは私だけではないはず。
撮影:筆者

インソールです。プリント剥がれてます。けっこう履きました。で、インソールの材質がOrtholiteに変更されています。履き心地に割と影響与えていると思います。
撮影:筆者

左側がM990V5に搭載されているOrtholiteのインソール、右側がM990V4、およびMR993に搭載されているインソールです。左側はどちらかというとソフトで低反発な履き心地。右側は所謂EVAっぽい材質のもの。こちらはコシがあって固めの素材感です。
撮影:筆者

撮影:筆者

993に比べると細かめの溝が入ったアウトソールデザイン。
撮影:筆者

5を表すⅴが鎮座するヒール。ヒール下部には樹脂製の大型のスタビライザーが搭載されています。
撮影:筆者

新しいからいいってもんでもないのだなあと感じたと同時に、自分に合う木型ってスニーカーにとって非常に大事な要素なんだなと再認識した一足でした。 もしDワイズよりも更に細い木型のM990V5を試着していたら今回の順位も変わっていたかもしれません。
この靴が最高に履きやすいという方ももちろんいらっしゃると思います。スニーカーの履き心地なんて言ってしまえば食べ物とかの嗜好品と同じで、人それぞれ好みは違うのでしょうし。
そういう点含め、本当に履き心地がいいと思える靴を探すのであればやっぱり店頭で色々試着するっていうのが最善の方法なのだと思います。


【M990V4】2016年発売の一世代前の990

つい最近購入したのがこちらのM990V4です。旧型の宿命で定価から40パーセントオフになっていたのでマイサイズの27.5を試着し、問題なかったので即購入しました。

カナダではただでさえ安い価格で購入できるMADE IN USAモデルが更にそこから40パーセントオフで購入できたということでとってもお得に手に入れることができました。

何を隠そうこれが近頃の一番のお気に入りです。足を包まれるかのようなフィット感といい、柔らかいクッションと反発力のバランスといい、汚れが気になりにくいトリプルブラックのカラーリングといい、ヘビーローテーションで履くこと間違いなしの一足です。

V5に比べるとちょっとごつごつしたデザインでしょうか。
撮影:筆者

撮影:筆者

かっこいい。グレーよりすっきりして見えます。
撮影:筆者

990のロゴの入り方はV5より強調され気味。
撮影:筆者

まだ剥がれていません。
撮影:筆者

前足部のひし形が並んだアウトソールパターンが特徴的。
撮影:筆者

ヒールのロゴも黒で統一。どこまでもすっきり。
撮影:筆者

ENCAPも黒で同色。グレーだと履いてるうちに黄変してしまうのですが、この色だったら安心です。
撮影:筆者


【まとめ】 必ず試着して自分に合うベストなものを選ぶが吉

ということで同じニューバランスの99Xシリーズだとしてもその履き心地や木型は異なります。新しいものが足に合う方もいますし私のようにそうでない方もいらっしゃると思います。履き心地重視でスニーカーを選ぶのであれば、流行や最新のモデルに惑わされるのではなく、新旧問わず店頭で試着を行い、最もしっくりきたものを選ぶことが大事なのかなと思った次第です。

皆さんの靴選びの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただいた皆様ありがとうございました。

◇写真の話
2019年の初めに表参道で撮影させていただいた一枚。確か台湾か韓国の方だったかと思います。当時もMR993を履いている方は珍しかったので思わず声をかけて撮影させてもらいました。