ナイキだけじゃない!コービーが現役時代に着用していたバッシュをまとめてみる(1) ~アディダス編 その1~
画像引用元:sneakernews.com
こんにちは。壮年留学生です。
本日よりコービー・ブライアントが20年間のプロキャリアで着用していたシューズについて数回にわたって振り返っていこうと思います。
彼の誕生日でもある本日、8月23日にお送りするのはコービーのデビューシーズンである96-97シーズンから初のリーグ制覇を達成した99-00シーズンに本人が着用していたシューズについて見ていきます。
96-97シーズン:アディダスバスケットボールの看板プレーヤーとなった高卒ルーキー
花の1996年ドラフト世代
コービーの入団年である1996年に行われたNBAドラフトは、歴代屈指の豊作だと言われています。首位指名を受けたアレン・アイバーソンの他にも、ステフォン・マーブリー、レイ・アレン、スティーブ・ナッシュ、ジャーメイン・オニール等々、指名履歴にはオールスターの常連が名を連ねています。
シューズ契約に関して、多くの選手がナイキと契約を進める中、シグネイチャーモデルの開発を約束されたアイバーソンはリーボックと。そしてコービーはバスケットボール市場での存在感が現在よりも薄かったアディダスと契約します。
ルーキーシーズンは一般モデルを着用
入団一年目はシグネイチャーモデルは用意されませんでしたが、アディダスバスケットボール内のFeet You Wear (フィーツーウェア) の広告塔に抜擢。ルーキーシーズンに着用したTOP TEN 2000 (トップテン2000) と共に各媒体に登場しました。
下記CM動画にてトップテン2000を履いてプレーするコービーを確認できます。
ちなみにFeet You Wear(フィーツーウェア)とは、1990年代にアディダスが外部機関と共に開発したソールテクノロジーのことで、人間の足裏の凸凹を模したような分割されたソール形状と、曲線的な外観が特徴。これによってフラットなアウトソール形状とくらべて足本来の動きを妨げず、怪我のリスクを減らすことができるというもの。地面との距離が近く、横幅があるので安定性も確保できていたそうです。
当時の外部機関とのライセンス契約は5年間のみで終了しており、以降はコービーのシグネイチャーシューズにも使われなくなっていました。なんとなく最近のジェームス・ハーデンやドノバン・ミッチェルのシューズのソールにはフィーツーウェアを彷彿とさせる形状が採用されている気がしてならないのは私だけではないはず。
レイカーズのチームカラーを纏ったシューズでダンクコンテストを制覇
コービーはルーキーシーズンの97年開催のダンクコンテストに出場し、優勝しています。
その際に着用していたのがこちら、EQT Elevation (EQT エレベーション) です。
ダンク王の栄冠もあり、この鮮やかなレイカーカラーのシューズはルーキーシーズンのコービーを象徴する一足としてファンに愛され続けています。
ちなみにルーキーシーズンのコービーはエディー・ジョーンズやニック・バン・エクセルの控えとして活躍しており、試合あたりの平均出場時間はわずか15分、平均得点も7.6点でした。
アディダスはドラフト前からコービーとの契約を済ませていたのだとか。多くのNCAA経験者ではなく、高卒プレーヤーをチョイスするところにアディダスの担当者に先見の明があったということでしょうか。
97-98シーズン:初のシグネイチャーシューズの登場
キャリア初期の屈指の人気シューズ、KB8 (Crazy 8)
迎えた2年目のシーズン、コービーは自身初のシグネイチャーシューズをアディダスより与えられます。
それがこちら、KB8です。
引き続きフィーツーウェアを採用したソールは凸凹とした特徴的なシルエットです。アディダスと契約中のコービーのシューズの内、屈指の人気があるこちらのモデル。これまでに様々なカラーリングで復刻されており、真紅のブルズカラーで彩られたこのKB8 (復刻時の名称はCrazy8) を若かりし頃のデリック・ローズが着用していたことも印象的なシューズです。
キャリア初のオールスターゲーム本戦出場
ネットフリックスにて配信されているラストダンスをご覧になられた方ならお分かりになられると思うのですが、コービーはプロ2年目にしてオールスターゲーム本戦に出場しています。その際着用していたのが上の画像右側の黒を基調としたKB8です。マイケル・ジョーダンとの対戦を執拗に望んだエピソードが印象的でした。
ちなみにこのシーズンのコービーはルーキーシーズンに引き続きベンチからの出場が多かったのですが、オールスターのファン投票によって、他のガードプレーヤーを差し置いて史上最年少 (19歳170日) でスターティングメンバーに選出されています。実力もさることながら、当時からそのカリスマ性でファンを獲得していたのですね。
98-99シーズン:チームのスターティングメンバーに定着
前作のコンセプトを引き継いだシグネイチャーモデル第二弾
リーグ3年目のコービーの為に用意されたシューズがこのKB8 2です。
スターティングガードとして活躍
翌98-99シーズン、バックコートのスターティングメンバーであったエディー・ジョーンズとニック・バン・エクセルがチームを去ったことから、コービーはスタメンに定着します。
シーズン50試合全て(ロックアウトで試合数が削減された)にスタメン出場し、平均出場時間を26.0分から37.9分と大幅に伸ばし、試合平均得点も19.9点に達しています。
また、このころからメディアによるマイケル・ジョーダンや、レイカーズのレジェンドの一人であるマジックとの比較が始まったそうです。
99-00シーズン:王朝の始まり
アディダスのシグネイチャーシューズの中では存在感の薄いKB8 3
続いては4年目のシーズンに着用していたKB8 3です。このシューズですが、良くも悪くも話題になることが少ないモデルで、ネット上できれいな画像を探すこともなかなか困難。着用を開始したのは前98-99シーズンのプレーオフからでした。
前述した通り、共同開発を行った第三者機関との契約の関係上、フィーツーウェアを搭載したコービー最後のシグネイチャーシューズとなりました。
デザイン的には前作、前々作と続いたごつごつとしたボリュームのあるシルエットとは少々異なり、アッパーの大部分にスムースレザーを用いた流線形の意匠に変更されています。
注目すべきはこのソールユニット。
また、バッシュのソールが搭載されているということでYeezy500を実際に試合で着用していた選手も。
シグネイチャーシューズではないモデルも着用
99-00シーズンは前述のKB8 3以外のシューズも着用してました。それがこちらのForum 2000(フォーラム2000)です。
歴代のシグネイチャーシューズに見られた独特の意匠とは対照的に、プレーンな見た目が特徴。ソールもフラットですね。フィーツーウェアの履き心地を嫌ってこちらに履き替えていたという噂もあるようです。
名将フィル・ジャクソンの指揮と初のリーグ制覇
99-00シーズンからヘッドコーチに就任したのは、かつてマイケル・ジョーダンを6度の優勝に導いた名将、フィル・ジャクソン。彼の指揮もあり、コービーはリーグを代表するシューティングガードの一人に数えられるようになります。
レギュラーシーズンのスタッツは試合平均6.3リバウンド、4.9アシスト、得点で22.5得点を記録し、自身初のオールNBAセカンドチーム、オールディフェンシブファーストチームに選出されています。
かつてブルズも用いたトライアングルオフェンスの下、シャックとの協力なデュオが躍動。本人初のチャンピオンリングを獲得します。チームとしては1988年以来のリーグ制覇でした。
そして、この2000年のNBAファイナルでコービーが着用していたシューズはKB8 3ではなく、KOBE1(コービー1)と呼ばれる見た目も機能も全く異なるモデルでした。が、続きは次回の記事で解説させていただこうと思います。
(アディダス編 その2 公開しました)
最後までお読みいただきありがとうございました。
[Bibliography]
Schlemmer, Z. (2016, February 18). Kobe Bryant Sneaker History: Adidas Years. Retrieved from https://sneakernews.com/2016/02/18/kobe-bryants-20-year-sneaker-legacy-part-1-the-adidas-years/
Kobe Bryant. (2020, August 15). Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Kobe_Bryant
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