【シューズレビュー】世界のランナーに愛されるランニングシューズ、アシックスのノヴァブラスト2を履いて走ってみた

【シューズレビュー】世界のランナーに愛されるランニングシューズ、アシックスのノヴァブラスト2を履いて走ってみた

こんにちは。

暑い日が続いています。カナダ生活以来の2年ぶりの日本の夏ということで湿度と気温の高さに面食らっています。

そのせいか、以前に比べるとランニング時に気持ちよくスピードに乗れず、また、脚の疲労感も涼しい時期に比べると取れにくくなってきているような気がしています。(加齢が原因の可能性もなくはないですが。)

そんな状況もあり、数週間前から脚にやさしい新たなランニングシューズの購入を検討し始めていろいろと調査をしていたところ、今回ご紹介させていただくASICSのNovaBlast2に出会いました。

ノヴァブラスト2を選んだ理由

やたらと評判のよかった初代ノヴァブラスト

今回ご紹介するNovaBlast2はその名が示す通りシリーズ第二弾です。第一弾は2020年に発売され、ASICSが新規開発したFLYTEFOAM BLASTとよばれる新しいミッドソール素材が搭載されたランニングシューズでした。

第一弾の発売は2020年春ごろだと記憶しています。当時、私はちょうど毎日ランニングを開始したところで、自分に合うランニングシューズをネット上で物色しているころでした。結局、当時はNIKEのPegasus37を購入しましたが、やたらと評判のいいASICSのシューズということで印象に残っていました。

以下、私がよく拝見させてただいている海外の有名レビュワーから非常にレベルの高いデイリートレーナ―という評価がされていました。

The Ginger Runner氏「マシュマロっぽくてトランポリンっぽくもあるこのクッショニングは試す価値があると思う。」

Seth James DeMoor氏:「最近のアシックスにいいイメージはなかったんだけど、NovaBlastの登場によってメーカーの今後を期待するようになったよ。」

Kofuzi氏:「2020年のベストデイリートレーナ―はASICSのNovablastだね。」

2020年発売の初代NovaBlastは現在はお手頃価格で購入することができる模様。


ニューバランスのM1080V11と迷った末の選択

冒頭で申し上げた通り、ここ最近は疲労感を感じる日が多かったため、比較的ゆっくりと走れて、かつ評判のいいランニングシューズを探していました。

いろいろと調べていると、最終的に私が購入することになるNobaBlast2の他にも、NewbalanceのM1080V11が調子いいなんて話がちらほら転がっていました。何はともあれ試着だろうということで、ニューバランスの直営店に向かいました。

親切な店員さんに靴紐まで結んでいただき、お店の中も軽く走っていいということだったのでお言葉に甘えて軽くジョグさせていただきました。

確かにクッショニングはよかったのですが、問題はヒールのホールド感でした。商品画像をご覧いただくとお分かりになられると思いますが、ヒール部分はパディングが入っていない薄手の材質が立体成形された少々特殊な形状となっています。

これが私の足にはフィットせず、足を前に出す度に踵が抜けてしまう感覚がありました。

また、アッパーのつま先部分はソフトなニット素材なので良く言えば様々な足形にフィットするアッパーでした。しかし、リラックスしたフィット感のものよりも、ホールド感があってタイト目に履けるシューズの方が好きな私にとってはマイナスポイントとなってしまいました。

せっかく親切に接客してもらえたのですが、上記理由もあり、M1080V11の購入は見送ることにしました。

初代からはマイナーチェンジといった印象のノヴァブラスト2

ここからはNovaBlast2の現物画像と共に機能面について解説をさせていただきます。

クッショニングは初代に引き続き、ミッドソール全面がFlyteForm Blast(以下FF Blast)で構成されています。

フライトフォームブラストとは

初代NovaBlastから搭載されているFF BlastはEVAとOBCと呼ばれる素材をベースに開発された、高いクッション性をもちながら、反発弾性も備えた軽量ミッドソール素材です。開発のコンセプトの一つには”トランポリン”が掲げられていたそうで、着地の衝撃をしっかりと吸収し、そのエネルギーを蹴り出しのパワーに変えるというところに重点を置いて開発されたのではないかと思われます。

進化したミッドソール形状と外付けヒールスタビライザー

初代でも非常に好評だったクッショニング素材のFF Blastですが、その複雑なミッドソール形状も非常に印象的。この形状がより高い衝撃吸収性と反発性を生み出すのだとか。

こちらはNovaBlast2のミッドソール。初代に比べてより複雑になったミッドソールのデザインが印象的です。
画像:筆者私物

ちなみに、FF Blastでできたミッドソールは指で押すともちもちとした感触です。NIKEのReactやNewbalanceのFuelCellともまた違った印象を受けました。

また、初代と異なる点として、踵外側に安定感向上のためのスタビライザー(上記画像の”NOVABLAST2”と記載のある樹脂製のパーツ)が装着されています。踵部分のホールド感を重要視する私にとっては嬉しいポイントです。

ソールの厚みはけっこうあり、初代のそれよりも分厚く見えます。ドロップは8mmということで前作よりも2mm短くなっています。
また、シューズの重さは27.0cmで片足275gということで、同261g初代よりも少し重力が増加しています。ぼってりとボリュームのある割には軽い印象を受けます。
画像:筆者私物

エンジニアードメッシュを採用した快適なアッパー

アッパーはダブルジャカードメッシュというやわらかな2重構造のメッシュ素材が採用されています。ところどころベンチレーションホールが設けられており、通気性の向上が図られています。
画像:筆者私物

画像の黒のカラーリングだとアッパーのメッシュにところどころ白い糸が使われています。機能面の良し悪しはともかく、見た目はけっこう気に入っています。
画像:筆者私物

初代を引き継ぐトランポリンからインスパイアされたアウトソールデザイン

アウトソールのパターンは前作のパターンを踏襲した意匠となっています。材質はアシックスの高耐久アウトソールラバーであるAHAR Plusが使用されています。
ラバーの粘性は低めで、パキッと固めの材質に耐久性の高さを期待してしまいます。
画像:筆者私物

また、シューズ底面のデザインも前作と同じく、アウトソールに囲われた黒いミッドソール部が凹んでいます。
これは、着地時にミッドソールの空洞がつぶれることで衝撃を分散させ、蹴り出しの際にはそれが元の形に復元しようとする力を推進力に利用することを意図してデザインされているそうです。

余談ですが、2000年代前半にNBAを含めたバスケットボールシューズ業界を大いに盛り上げたAND1のシューズに搭載されていた、Springz Geometryというものがありました。これは、アウトソールの踵部分の地面と接する部分にくぼみを設けて着地時の衝撃を緩和する、といったものだったと記憶しており、正にNovaBlastのそれとよく似ているなーと、個人的に思った次第です。

NovaBlast2を履いて走ってみた!!

ということで履いて何度か走ってみました。

いつものコースで6kmほど走ってみました。

デイリートレーニングをサポートする快適なクッショニング。反発力はほどほど。

思った通りのやわらかなクッショニングで、疲労感の残る脚をやさしくサポートしてくれました。一歩一歩が非常に楽しく、快適なクッショニングとは正にこのことだなといったところ。

日々のランニングや比較的ゆっくりとしたペースのロングランの際に力を発揮してくれるシューズであるという印象を受けました。また、これからランニングを始めるにもおすすめできるシューズだと思います。

一方で、メーカーの商品説明にあるような反発力については私個人としてはあまり感じられず、スピードを出して走る(4分台/km)には少々足が出にくい感覚がありました。

ですので、私のNovaBlastの使用用途としては、スピードを出す日用ではなく、あくまでリラックスしたペースで走る、またはリカバリーラン的に走る際のシューズとして活躍してもらうことになりそうです。

踵のフィット感〇。サイズを変えるほどでもないが、 前足部は比較的ゆったり目。

気になるサイズ感については縦寸については愛用中のPegasus37やFuelCell Rebel V2と似たり寄ったり。サイズもいつもと同じ27.5cmを選びました。

前述の外付けのスタビライザーがいい仕事をしているのかはわかりませんが、踵部分の収まりは良く、ライニングに軽く詰め込まれたパディングと相まって踵をいい感じにホールドしてくれます。踵がシューズから浮くといった感覚もありません。NIKEのPegasus37のときは踵がフィットせず、走る度に靴下と擦れていた踵部のライニングが最終的に破れてしまっていましたが、NovaBlast2であればそのようなことも発生しないのではないかと予想しています。

ほどよくパディングの入ったかかと部分のフィット感は問題なし。すこしソックスの毛玉が付きやすい材質ではあります。サイジングは普段使っているランニングシューズと同じで大丈夫なのではないかと思います。
画像:筆者私物

前足部は私が使っている他の2足と比べると少しゆったり目の印象。アッパーの素材のやわらかさも相まって締め付けられるようなストレスはありません。
個人的にはアッパーが足にぴたっと貼りついている感じが好みなので、NovaBlast2を履くときは厚めのソックスを選んでいます。

注意点:安定性の低さとヒールよりの着地に誘導される感覚

個人的にいくつか感じた注意点を共有させていただきます。

まず、安定性はそこまで高くないという点です。メーカーとしても元々ニュートラルランニングシューズと謳っているので、期待してはいけないてんなのかもしれませんが、走っていると少し気になります。
やわらかいソールと相まって、少し足がブレる感覚があります。

NIKEのPegasus37を同じデイリートレーナ―の枠で語るならば、安定性についてはPeg37に軍配が上がります。

また、分厚いソールの影響なのかボリューミーなデザインのせいなのかわかりませんが、かかと部分が意図せず先に着地してしまうことが何度かありました。

私は元々ヒールも使って走っているようなランナーではあるのですが、NovaBlast2を履くと意図せずヒール部分が地面に触れてしまい、ガリガリガリっとかかとを引きずって走ってしまうことがありました。

意識してちょっと踵寄りに着地して走ってみるとそのようなこともなくなり、また、快適に走ることができましたので、以降このシューズを履くときはそのように走ることにしています。

シューズによって多少走り方を変える必要があるのかもしれないと思った次第です。
ちなみに、前述の通りアウトソールが比較的固めの素材のためか、アスファルトに着地した際にけっこう音が鳴ります。
画像:筆者私物

まとめ:肩肘張らずにノヴァブラスト2でランニングを楽しむ

もともと日々のランニングによる足の負担を軽減するデイリートレーナ―が欲しくて購入したNovaBlast2ですが、私としてはNovaBlast2によってそのニーズは満たされ、非常に満足しています。同じニーズを持つランナーの方には是非おすすめしたい一足です。

また、メーカーの特性なのか、前足部に比較的スペースがあるので、海外メーカーだと足幅が合わないという方にも良いかもしれません。

一方で、私の印象としてはメーカーが掲げるテンポランをカバーする万能性、というところには少々疑問が残る結果となりました。そういった万能性を求めるのであれば他にも良いシューズはあるのではないかと思います。

今回NovaBlast2を購入したことによって、NIKEのPegasus37の様々なペースをカバーする万能性や、シューズの良さを再確認する結果となりました。Peg37については合計で800kmほど走行していることもあり、最新作であるPeg38を是非試してみたいところです。


最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました。