Question Mid “Double Cross”というバカ履きモデルについて。

Question Mid “Double Cross”というバカ履きモデルについて。

我々世代を大いに魅了したカリスマ、アレン・アイバーソンとリーボック

昨今のスニーカー市場においてその存在感を失いつつあるリーボック。我々が大学生の頃なんかは当時手に入り難かったこともあり、「ポンプフューリー履いてる人マジおしゃれ」みたいな印象すらあった同ブランド(私だけか…?)ですが、近頃は元気がないと言わざるを得ない状況ではないでしょうか。

そんなリーボックですが、我々世代にとっては90年代から00年代のNBAにおいて多くの契約選手を抱えていたり、ユニフォームのサプライヤーだった時期もあった偉大なブランドなのです。

スティーブ・フランシスやらケニオン・マーティン、更にはジョン・ウォールもデビュー当初は同ブランドの契約選手でした。そんな中、群を抜いて人気があったのがアレン・アイバーソンです。選手登録の身長は183cmとNBAの世界ではかなり小柄ながら、得点王、シーズンMVPの獲得、そしてNBAファイナル進出を果たしたキャリアのある選手です。

その実力もさることながら、そのいかつい容姿とファッションでギャングスタカルチャー、もといHIP-HOPカルチャーをリーグに持ち込んだ第一人者としても知られています。

当時このユニフォームが流行りまくっていたわけで。懐かしすぎるW.W.J.Dブレスレットと共に。
画像引用元: thesource.com

AIR JORDAN11からQuestion Mid へ

そんなアレン・アイバーソンですが、ジョージタウン大学在学中はエアジョーダン11等を愛用していましたが、96-97シーズンのNBAデビュー時にはリーボックとの契約を済ませ、初年度からシグネイチャーモデルを与えられることになりました。その名もQuestion(クエスチョン)です。

これは、アイバーソンのニックネームである「THE ANSWER(ジ アンサー)」にかけたネーミングとなっており、2年目以降のモデルについてはアンサーという名前がつけられています。

また、デザインにあたってはアイバーソンのお気に入りだったエアジョーダン11の要素を加えているのだとか(Wear Testers談)。本人曰く、クエスチョンについては、アンサー4と並ぶシリーズ屈指の思い入れのあるスニーカーだそうです。

デフォルトでバカ履きなクエスチョンミッド ダブルクロス

昨年2019年から2020年にかけて、クエスチョンミッドが複数色復刻発売されています。中でも私の心を奪ったのが今回ご紹介する「ダブルクロス」と呼ばれるカラーリングです。

まずはこちらの動画をご覧ください。

こちらはスニーカーファンにはおなじみのUNDEFEATEDがこのクエスチョンミッドリリースの際に公開した動画です。めっちゃかっこいいです。そしてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、プレーヤーのシューズの色が左右で異なっています。実はこのスニーカーはもともと左右で色が違います。

こちら左足
撮影:筆者

こちら右足。黄ばんでるように見えますがそんなことはありません。言われてみればエアジョーダン11っぽさを感じないこともないと思うのですが、いかがでしょうか。
撮影:筆者

いずれもアイバーソン本人がルーキーシーズンに着用していたものとほぼ同じカラーリングで構成されています。

タンのベクターロゴのカラーリングは左右で反転しています。
撮影:筆者

こちらも反転。確かオリジナルはQマークが白い糸で刺繍されていたと思われます。かかとの3も白抜きになっていたはずです。
撮影:筆者

内側です。けっこう質感の良いレザーが使われています。ちなみに青い方はアイバーソンがMJをクロスオーバーしてジャンパーを決めた際に着用していたカラーです。
撮影:筆者

クッションにはHEXALITEという当時のリーボックの最先端クッション素材が使われています。ポンプフューリーにも搭載されていたんじゃないかな。ちなみに側面に見える窓はクッション性には一切寄与しないただのデザインです。
撮影:筆者

アウトソールの踵位置からもHEXALITEの搭載が確認できます。履いてみると意外とヒール部分はソフトな感触です。ここでもロゴの色が反転していますね。汚くて申し訳ありません。
撮影:筆者

つま先の切り替えはスエード調の素材です。ここもオリジナル版との変更点。サイジングですが、見た目のボリュームの割に少々つま先部分が狭い感じがしましたが、私が所持するスニーカーの多くと同じくUS10でぴったりでした。AJ10シアトルやニューバランスの99XシリーズはUS9.5で履いているのですが、このクエスチョンミッドに関してはサイズを下げると履けないだろうといったかんじです。
撮影:筆者

Qの「ちょん」の部分がベクターロゴになっています。
撮影:筆者

左インソールに96。
撮影:筆者

右インソールに97。アイバーソンのデビューシーズンを表しています。

ボックスはI3ロゴつきの特別仕様。あんまりこのロゴはかっこいいと思ったことがない。
撮影:筆者

タグですね。残念ながら日本での正規ルート発売はナシでした。
撮影:筆者

まとめ 目立ちたいバスケファンにかなりおすすめ。

デフォルトでバカ履きということで最初は抵抗感があったのですが、履いていると懐かしさから気分が高まってきて、最終的に全く気にならなくなりました。

そしてこれを履いているときは電車内や街中で普段より多くの視線が足元に注がれていることに気が付きます。日本だと正規販売がなかったということで更に目立つかもしれません。

残念ながらあまり人気がなかったようで、こちらのフットロッカーやメーカー直営サイトにてセール価格で販売されていました。

また、先にご紹介した動画のように、バスケ用に使用する方もいらっしゃるようです。

私はバスケでは使っていないのでパフォーマンスレビューについては割愛しますが、重量はかなりあります。近頃のものと比べると1.5倍かそれ以上あるのではないかと思わせるレベルです。当時、どこかのECサイトにてAND1のシルキースムースやリーボックのアンサー5の商品説明に「ある程度重いシューズの方が却って早くドライブできる」みたいな解説があったのを思い出しますが、未だにその原理は信用していません。笑

軽量ローカットシューズ全盛の今では信じられない触れ込みですよね。

ともあれ、当時を懐かしむファンには非常にお薦めなスニーカーでございます。最近発売されたジョージタウン大学のカラーリングも気になるところです。

最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました。